教科書題材内容を理解させるための工夫 概論編

「教科書の題材内容を理解させる」ことはSLAの視点からもその重要性は幅広く述べられておりますし,やり方次第では生徒を一気にこっち(教師)の思惑(笑)に乗せることができると考えます。

 

教科書の英文(生徒に与えるインプット)の「理解」って何?ということについては自分が疑問に思ったことでもありましたので以前調べてみました。

和泉先生の 『「フォーカス・オン・フォーム」を取り入れた新しい英語教育』には次のようにあります。

言語習得で必要なインプットやアウトプットは,実質的な意味内容がなければならず,言語的にもチャレンジングなものでなければならない。

また,言語習得(コミュニケーション能力)を支える3要素として,言語形式,言語機能,意味内容が挙げられています。

つまりは,生徒に対して伝えたいメッセージがあるまとまりのある英文を通して,3要素の理解を促すことと考えられます。

上記のようなことを大前提に,これから英語教育で取り組むべきことの1つとして「理解可能なi+1のインプットを豊富に与える」ことが書かれています。詳細は私の拙文よりも実際に読んだ方が確実だと思いますので詳述はしません。

 

村野井先生の「第二言語習得研究から見た効果的な英語学習法・指導法」ではタイトルの通りSLAに沿って具体的に詳述されてます。

理解には,インプットとして入ってきた発話の意味が理解される意味理解のレベルと,構造的な分析ができるさらに深い理解のレベルがある。(中略)

インプットを理解するということは,言語形式と意味のつながりを把握するばかりでなく,どのような機能を果たすのかというところまで理解することを意味する。それは,「形式・意味・機能マッピング」が学習者の中で起きることと言い換えることもできる。

(ちなみにこの後にインテイク…について詳述しているのですが,ここら辺りも読み込んでおいた方が良さそうだと思います。なぜなら,インテイク(input processing)はドリル的な活動をしたら促されるような単純なものではないからです…。)

上記2冊は英語教育に携わる中でターニングポイントとなった,私にとってのSLA入門書です。(これらの著書を読んで,原文を読む必要性も強く感じました。なぜなら…先生方が私向け(思い込みww)にsimplifiedな内容で書いてくれているので(笑))

 

Inputについて興味深く述べていたのはVanPatten, B., From Input to Outputです。それには次のようにあります。

・インプットに対して学習者がするべきことはメッセージを理解することである。

・理解しようとしているメッセージはより言語学的下位項目(単語や文構造他)にエンコードされる。

・習得のためのインプットとは言語規則のことを表しているのではない。規則学習はインプットではない。またドリルなどを行うことで促されるものでもない。

・適切な(&に)インプットが与えられないと習得は促されない。

・Input Processingには進捗規則性のようなものがある。

Input Processingの進捗規則性について述べているのですが,大変興味深さを感じると同時にこれらを考慮した実践は現実的ではありません。しかし,文法規則の複雑さ(生徒にとっての理解のしやすさ)を考慮してどのようにインプットを与えれば良いのかを検討する学術的根拠になると思います。

 

どの著書も切り口は違えども,同じようなことの重要性を述べていますので,生徒にインプットを与える時は上記の概論を検討し実践することが大切な感じが強くします。次回は実践してみたことを綴りますね。今日は概論まで。

 

また明日から学校です。今日は選挙特番ばかりになって情熱大陸もないので早く寝よう。